Workforce Innovation Enables Double Wages

ワークフォース・イノベーションによる賃金倍増①

中小企業の賃金水準が大企業より低いことは、人材獲得競争上、間違いなく不利です。大企業の好決算の裏側には、コストカットを受け容れざるを得ない中小企業の悲哀が満ちています。大企業が確立したエコシステムに囲い込まれた中小企業にとって、これまで「賃金倍増」など検討の余地さえなかったのかもしれません。

しかし、価値創造の源泉が知的資本となった今、すべての企業にとって、優秀人材による価値創造貢献の最大化が命運を決する時代に変わったと考えます。優秀人材に価値創造してもらうためには、優秀人材を惹きつけるだけの賃金水準を提示できることが必要であり、賃金倍増に真剣に取り組む必要があるのです。

では、どれくらいの賃金水準が必要なのかというと、現場感覚としては、2025年4月時点の大卒初任給は40万円(年収600万円)以上、シニアスタッフ層1000万円以上、マネジャー層2000万円以上、エグゼクティブ層3000万円以上と考えます。また、価値創造の源泉となる可能性がある突出した資質を有する方を採用する場合は、経営者の年俸をはるかに凌ぐ賃金の提示もいとわない覚悟が必要です。

実は、スタートアップで上記に近い賃金水準を実現しようと挑戦している企業は存在します。夢物語、絵空事、戯言とお考えかもしれませんが、「これらの企業にできることが、自社ではなぜ実現できないのか」にフォーカスして、現実を受け止める必要があります。

優秀な人材を必要とするスタートアップの多くは、昨今のHRトレンドにフィットするワークフォースやワークスタイルを取り入れています。高い賃金水準もあくまでもひとつの要素であり、成長機会の提供等、優秀な人材の要求に応えることに躊躇しません。

エクセレント・カンパニーが創業間もないスタートアップに採用負けすることも珍しいことではなく、それがいつ自分の会社に起きても不思議ではありません。

そこで今回、ワークフォース・イノベーションによって賃金を倍増する方法について2回に分けて考察します。現在の賃金水準が低い企業ほど、産みの苦しみが大きくなることは避けられませんが、このプロセスを乗り越えた先にしか未来図は描けないと腹を括って取り組んでいただきたく存じます。

目次

新たなフレームワークの導入

ワークフォースの導入
ワークスタイルの包摂

DXのインパクト・シミュレーション

1. PMVV
2. ケイパビリティ
3. ビジネスモデル
4. ピープル・カルチャ・組織
5. テクノロジー・プラットフォーム

Appendix

Workforce Design
Human Capital Investment
People Analytics
DX Diagnosis

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人は「育てられる」のだろうか?
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