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Outlook

TMT(Technology, Media & Telecommunications、テクノロジー・メディア・通信)業界は、現代社会において欠くべからざるプラットホームであり、インフラ、デバイス、コンテンツを提供しています進化が加速し以前にも増して俊敏性が求められる中本業界は弛まぬ構造改革に挑み続ける企業だけが生き残る資格を手にできる厳しい戦いが続いています今日の栄華も明日は保証されておらず起業スクラップ&ビルドM&A新旧・大小企業間のコラボレーション等ありとあらゆる事業形態で技術革新やイノベーションが起こり2022年末からのChatGPTムーブメントをはじめ、AIの開発競争や利活用を巡るルール制定の動きも活発化しており、テクノロジー業界における勢力図が書き換わる可能性が出てきました。

業界内の各カテゴリの動向を見ておきましょう。

  1. ITサービス
    • DX関連需要が増加して市場が拡大中ですが、レガシーシステムのリプレースやクラウドへの移行、アナリティクスの構築、AIを活用したBPR、リモートワーク等を含むワークスタイルデザイン等のニーズの取り込みが成長エンジンとなると考えます。
    • AIに関しては、先行するMicrosogtとOpenAIをGoogleが後追いするものの、他の有力なAIも開発が進み、混沌とした状況の只中にあります。BPRや意思決定に役立つ一方で、サイバー攻撃や暴走、労働者の代替リスクやモラルハザード等への対応について協議することが必要でしょう。
    • ソフトウェアに関しては、ワークスタイル変革とDXの進展により、オフィススイートソフトや業務支援ソフト、データ分析ソフト等の市場が伸長、売り切りからSaaSへの転換も進んでいます。メーカー各社の戦略としては、コア製品の関連機能を買収で取り込んでパッケージ化、クラウドサービスとして提供することで売上拡大を目指したり、アナリティクス機能の搭載や連携により、DXニーズに応える動きが見られます。
    • クラウドサービスに関しては、ビジネスでは基幹系システムのリプレース用として活用され、Amazon、Microsoft、Google、IBMの米国勢が主流です。消費者向けには、オフィス系ソフトウェア、写真、動画、ファイル等のストレージとして活用され、こちらもMicrosoft、Google、Meta、Apple等の米国勢の活躍が目立ちます。IoTの活用に適していることや、ハイブリッドクラウドへの転換等、引き続き期待されていますが、一方でセキュリティや有事の際のリカバリ等の不安の払拭は課題として残っています。
    • IoTに関しては、社会インフラやスマートホーム分野での市場拡大が見込まれています。これは、クラウドやAI等の普及によってIoTの利用環境が整ってきたため、大型産業機械のような売り切り型製品にネット接続機能を搭載して遠隔監視サービスを提供するという新たな収益獲得機会が生まれたことに起因します。
  2. 出版業
    • 17年連続前年割れが続き、紙の出版市場が縮小する一方、電子出版が伸長して市場全体は微増しています。返本率が高くても大量販売で維持されてきた出版社ー取次ー書店という流通構造が成り立たなくなってきたため、DXによって新たな流通モデルを構築するための新会社が設立されました。Amazon をはじめとするネット書店の興隆による市中の書店の駆逐には歯止めがかからず、全国の書店は18年間で4割減となる等、書籍と触れ合う文化の退廃も懸念されます。今後の成長が期待される電子書籍に関しては、スマートフォン向けに開発された「縦読み」がデファクトになりつつあり、漫画をはじめとするコンテンツを縦読みに対応させるスピードが電子書籍事業者に求められています。
  3. 印刷業
    • 脱本業とでも言うかのごとく、既存印刷事業に縛られずにDX関連事業への注力が進んでいます。印刷業で培った技術力を活用して、BPO(Business Process Outsourcing)事業や流通のDX、メタバースにおける事業化支援、モビリティ産業向けリチウムイオンパウチ等に乗り出して、新たな事業構造への転換を模索しています。
  4. マスメディア
    • パンデミックのために一時停止していた企業活動が再開したことにより広告費が増加したものの、東京五輪やWBCというビッグイベントが終わった今、2023年度以降は女子サッカーやラグビーのワールドカップ、そして来る大阪万博等の番組広告の出稿が期待されます。インターネットメディアやSNS、ITプラットフォーマーとの広告費争奪戦は激化する一方であり、堅調とは言い難い環境が続くでしょう。
    • NetflixやAmazon Prime Video等の定額制動画配信サービス(SVOD)と、スカパーやWOWOW等のペイテレビの間の顧客争奪戦も激化しており、現状では動画配信サービスの伸長が著しく、ペイテレビは押されている状況ですが、各社とも独占配信作品数を増やしたり、映画配給会社や海外放送局との提携等で人気コンテンツを供給するよう尽力しており、鎬を削る状況が続くものと推察します。
  5. 広告業
    • 2021年度のインターネット広告費が2兆7000万円を超え、主要4媒体(テレビ、ラジオ、雑誌、新聞)の2兆4500万円を初めて上回り、市場成長の主役に躍り出ました。TVer等、インターネットに接続して動画配信サービスを楽しめるコネクテッドTVが普及しはじめたことにより、テレビ、インターネットに次ぐ第三の広告配信先として注目を集めています。インターネット広告費の成長率は前年比21%であり、広告費全体の成長率(10%)を上回る伸びを見せていますが、個人情報保護の機運の高まりにより、これからの成長に影響が出てくると考えます。日本はもとより、欧米の関連法規を遵守しつつ、AI等で配信対象や入札額を調整しながら配信できる運用型広告等の導入等、テクノロジーの利活用が鍵となるでしょう。
  6. 通信キャリア
    • 3Gが終了して5Gの普及期に入り、対応機種への買替促進に伴う顧客争奪戦が繰り広げられています。パンデミックの影響もあって販売体制を見直し、不採算店舗の統廃合を積極的に進めてデジタル化にシフトした結果、ahamo、povo、LINEMO等のネット契約プランが浸透しつつあります。MVNO各社は、楽天モバイルの0円プラン廃止に伴って流出した顧客を取り込むことに躍起ですが、上記3プランに加えてUQ Mobile、Y!Mobileの2社との戦いで苦境に立たされている状況です。
    • SNSや無料通話サービスは、パンデミックによる行動制限下で利用が増え、昨今ではYouTube、TikTok等の動画配信アプリが人気を集めています。インフルエンサーへの投げ銭が百万円単位になることもあり、新たな消費スタイルも生まれており、今後の成長にも期待が集まっています。

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