Basic Business Skillset
本カリキュラの特徴は、現代のビジネスパーソンが具備していて然るべき基本的なビジネススキルを、計画的にデザインされた修羅場における実践を通じて強化するスタイルにあります。リーダーシップやマネジメント等、普遍的なテーマは勿論ですが、現代的なテーマである問題解決の思考力(アート/デザイン/ロジカル・シンキング)をはじめ、数多くのプロジェクトに従事する機会が増えた今、誰もが習得すべきベーシックスキルとなったプロジェクトマネジメント、デジタル・ビジネスモデリングやイノベーションを成功させるうえで必須となるリーン・スタートアップ、MckinseyやMETAでも活用されている長期にわたる巨額投資を上回る成果を出す短期集中型アウトプット創出スキル「SPRINT」、強固な雇用関係から緩やかな連携へと転換した働くヒトを育成するためのコーチング等、働くヒトの地力をレベルアップする内容となっています。
本カリキュラは、「ストラテジー&マネジメントプロフェッショナル」「マーケティングプロフェッショナル」「ピープルプロフェッショナル」の3つと組み合わせて実施していただくことを想定しております。修羅場で必要に迫られて必死に取り組むことではじめて血肉となるスキルアップトレーニングですので、各プロフェッショナルカリキュラと同様、成果責任を参加者自身に負っていただきます。従って、その場で完結する単なる座学研修ではなく、プロジェクトの創出成果に基づいて人事評価と報酬に反映していただくこととなります。解決策の内容が価値創出につながらない、合理性に欠ける、プロジェクトマネジメントが適切ではない場合等では、コンサルタントから本気でダメ出しを行います。なお、本カリキュラムがカバーするビジネススキルはほぼ全ての課題解決シーンで必要なものですので、課題解決テーマを選ぶには及びませんが、リーダーシップとマネジメントに関しては、CxOレベルの方が馴染みやすい内容になりますことをご了承ください。
Leadership
DXを牽引するビジネスリーダーに期待されるリーダーシップのあり方や、その開発方法、ブラッシュアップ方法、そして発揮のしかたについて体系的に実行できている組織はそれほど多くありません。リーダーシップは、特性や行動、環境条件、フォロワーとの関係性等、様々なドライバーにフォーカスして理論構築されてきましたが、研究当時の経営環境や組織構造、カルチャ、パワーバランス等と現代のそれには大きな違いがあることを踏まえたうえでアップデートもしくはバージョンアップすることが必要です。
経営環境はディスラプターの登場でルールもゲームも変わり、組織構造は硬直的な中央集権的ピラミッド型から緩やかに連携するフラットなネットワーク型に変化しました。上司の指示命令には絶対服従、滅私奉公当り前という体育会的カルチャは、互いを尊重し合い、共創や創発を目的としたカジュアルでフランクなカルチャへと変わり、かつて役職に付与されていたパワーは、今や働くヒトのほうが握っているケースも珍しくないばかりか、業務や職務によってはデジタルネイティブ世代がイニシアティブを取るのが当然です。
本プログラムは、このような状況変化を踏まえたうえで、DX時代のリーダーシップのあり方を検討し、体系的な開発方法、ブラッシュアップ方法、発揮のしかたについてトレーニングする機会を提供しています。
Management
マネジメントとは、組織目標達成のために実行されるすべての言動のことです。DXという戦略の大転換があれば、マネジメントのあり方も一変します。組織とマネジメントに関する理論をひと通り理解したうえで、DX時代のマネジメントとはどうあるべきかについて学ぶのが本プログラムの目的です。
例えば、働き方改革に伴い、ワークスタイルやワークフォースにおける多様性と包摂性をどう取り扱うかという課題が浮上します。そもそも働き方改革とは価値創出プロセスの改革であり、長時間労働の是正や有給休暇の取得促進という枝葉末節のテーマではありません。従来の価値創出プロセスを一旦解体して、テクノロジーを活用した新たなプロセスへと変革すれば、そこで働くヒトたちが必要とするマネジメントもそれにフィットするものでなければ機能しません。
多階層ピラミッド組織を機能させることに最適化されたレガシーなマネジメントでは、フラットなネットワーク型組織を機能させることはできないことを理解し、人事部門が果たすべき役割の転換をはじめ、現代のマネジメントが具備すべき基本的な考え方、マネジメントのプラットフォーム、フレームワーク、ツール、アナリティクス等をどのようにデザインするのかを学び、エグゼクティブとして、またマネジャーとして、新しいマネジメント体系とマネジメント手法について精通することができます。
Art Thinking
多くの方が「アート」という言葉を見聞きすると、美術や芸術、あるいはそれらの作品をイメージすると思いますが、ビジネスの文脈における「アート」とは、探求力や独創力、クリエイティビティ等、その人らしい方法で考えたり作ったりする力のことを指します。アートシンキングとは、探求力や独創力、クリエイティビティを活用した思考方法であり、まだこの世にはないモノやサービスを新たに考えだす時、つまりゼロからイチを創造する場面や、すでにあるモノやサービスを組み合わせて新しい価値を産み出す時に必要となるものです。
まず、現代のビジネスシーンにおいてアートシンキングが必要になった理由についてみておきましょう。理由は3つ、①正解の価値のデフレ化②情緒的価値のインフレ化③失敗リスクの低減化です。①は、昭和時代から今日に至るまで、世界中で懸命に普遍的な問題を解決し続けた結果、与えられた問題を正しく解く能力は世界中に溢れかえりましたが、解く問題がなくなれば、その能力を活用する場面自体がなくなり、価値も下落してしまいます。誰も気づかなかった問題を発見・提起できる能力の価値が増したのは、まさにこれがためです。問題の設定力や、まだ誰も解いたことがない社会課題の解決に挑むスタートアップが、多額の資金を調達できるようになってきたのは、この点にあります。②は、すでにあるモノやサービスの機能的価値(利便性)には大きな差がなくなり、それらを使うことで得られる経験やライフスタイル等が本人にとってどんな価値(情緒や感情、ロマン)を提供できるかに関心が集まるようになったからです。「モノからコト」へのシフトや、「安くて便利なのはどれも同じだけど、私の欲求を満たしてくれるのは高くて不便でもこれじゃなきゃ」的消費として、個性的で唯一無二のハイパーブランド品(カメラ、車、ホテル、ファッション)の人気が沸騰するのは、情緒的価値に意味を見出す人がいるからです。③は、レガシーなビジネスモデルでは、設備投資や新規事業創造には巨額な投資が必要であり、工場建設や従業員の採用等、様々なリソースを保有しなければならず、万一失敗した時に被るリカバリコストも莫大なものでした。しかし、ファブレスメーカーのように、ビジネスに必要な全てのリソースを外部調達できる環境が整った現代では、パートナーやコラボワーカー、資金、技術、人材でさえもオンデマンドで調達・撤退が可能になっています。失敗しそうになったら、傷が浅いうちに撤退すればよいのです。試行錯誤が不可欠なイノベーションに挑戦する環境が整ってきた以上、挑戦しないことのリスク(機会コスト)のほうが経営へのインパクトが大きくなりつつあるのです。
アートシンキングは、パーパス・デザイン、新規事業創造、イノベーション創発等、自分で取り組むテーマを決定し、自身の内にある想いに基づいて洞察を深め、アイディアやコンセプト、そしてソリューションとして取り纏めるプロセスにおいて活用します。パーパス・デザインでは、社会課題の解決に資する自社の究極目標や存在意義、創業に至った理由や当時掲げた志、信念等を、社会課題の解決に資するものとして社会から受容され、支持される表現にまとめることになります。新規事業創造やイノベーション創発においては、「こんなモノやサービスがあれば世の中がもっと便利になり、人々がもっと幸せになるはず」と信じぬいてゼロからイチを創造することや、「あれとこれを組み合わせたらもっと便利になるはず」「こんなの作ってみたけど、最初の想定よりも意外な使い道があることがわかり、こっちのほうが世の中の役に立つかもしれない」と思い当って新たな価値を創造することに活用できます。試行錯誤を繰り返しながら全速力でスケールまで駆け抜ける顧客開発モデルや、失敗しても何度でも立ち上がり成功するまでやり抜くアジャイルな働き方との親和性が高く、実効性も優れています。また、失敗恐怖症が蔓延る大半の日本企業が、そのカルチャのまま失敗の連続が当り前のDXやイノベーション創発に着手したら、メンタルから萎れてしまいますが、「失敗しても仕方ない、将来の成功のためには必要なステップだったからこれを活かして次に進もう」と早々に切り替えられるアートシンキングを活用できれば、カルチャが変わり、失敗など恐れるに足らずというメンタルに転換でき、エンジンに火が入るのではないでしょうか。学習に際しては、パーパス・デザインや新規事業創造とイノベーション創発等に関するプロジェクト活動において、フレームワークを提供しますので、こちらからのサジェスチョンやファシリテートに則って洞察と検討を深めることになります。デザイン・シンキングやロジカルシンキングとの関係性、類似点、相違点、活用シーン等についてもご理解いただき、シーンに合わせて最適な思考方法を選択し、成果創出力のレベルアップを実現します。
Design Thinking
デザイン・シンキングとは、前例のない課題や未知の課題を解決するために用いる最適な思考方法です。ユーザーの共感や満足を最上位に掲げ、先入観や固定観念にとらわれず、アイディアの創出あるいは掛け合わせてソリューションとしてまとめ上げるために活用します。端的に言えば、イノベーションを創発するために活用する思考方法がこれです。イノベーションがなかなか成功しないのは、イノベーションというテーマ自体が、ロジカルシンキングをはじめとする従来の問題解決手法や思考方法でアプローチすべきではないことが原因です。直感的に考えること、パターンを見分けること、機能性だけでなく感情的な価値をも併せ持つアイディアを生み出すこと、単語や記号以外の媒体で自分自身を発信すること等、論理や分析を重視するロジカルシンキングでは軽視されてきた能力をデザインシンキングでは重視しており、これがゆえにイノベーション創発等の未知なる課題解決に活用できると考えます。イノベーションには、物理的な新製品はもちろん、サービス、プロセス、インタラクション、エンタテインメント、コミュニケーション、コラボレーション、パートナーシップ等も加わるようになってきており、モノというよりもヒューマンセントリック(人間中心主義)な課題を解決することが要求されます。こうした傾向は先進国だけでなく、急成長を遂げつつある発展途上国の経済活動が知識創造やサービス提供へとシフトし、グローバルにリンクする経済活動の影響を全ての企業が受けることとなります。
一見、前段のアートシンキングと同じように捉えられるかもしれませんが、思考の起点が異なります。アートシンキングの起点は「自分の内にある想い」ですが、デザインシンキングのそれは「他者の依頼に対処するための問い」です。前者が「そもそもこの仮説は正しいか?」から始まるのに対し、後者は「この仮説を検証する最善の方法は何か?」という問いから始まるのです。飛行機の発明・開発で例をあげるなら、前者は「人間は空を飛べる」と信じて何度失敗しても絶対に諦めなかったライト兄弟の思考方法であり、後者は「旅客が心地よく旅を楽しめる空間をどう作るか」「燃費効率を最適化する設計はどうあるべきか」をプロトタイプの製造を重視しながらよりよい飛行機を開発する技術陣の思考方法です。コンセプチュアルデザインや思索的デザインにフォーカスがあたるシーンでは、双方の違いがわかりにくいですが、少々粗く区分するなら、パーパス・デザインのように経営陣が自分の内にある想いの言語化や具現化に活用するのがアートシンキング、従業員の立場で、上司や顧客等、他者の依頼に対処する際に活用するのがデザインシンキング、と捉えてもよいでしょう。
デザインシンキングを習得するうえで参考にすべきは、数々の成功事例を輩出してきたイノベーター達が実施している、イノベーションを成功に導く4つのコア・プリンシプルとデザインメソッドです。本プログラムでは、これらのフレームワークを活用したワークショップを実施、クライアントにおけるデザイン・イノベーションのプロセス・モデルを構築し、実際のアイディア創出と掛け合わせの検討をはじめ、社会的課題の解決に資する製品・サービスの創出プランとしてまとめ、プロトタイプ(MVP:Minimum Viable Product, 必要最低限の機能を持つ試作品)を作成、経営会議に事業化提案していただきます。
なお、実際の事業化に関しては、リーン・スタートアッププログラムとリーンスタートアップ・コンサルティングが有益ですので、ご参照ください。
Logical Thinking
問題解決の思考法の中で最もポピュラーと言えるロジカルシンキングですが、MECEやロジックツリー等のワードこそ知られてはいるものの、実践に役立てられるレベルの方はそれほど多くはありません。文献等で少し齧ったヒトが「なぜ」を5回繰り返す罠に落ちたり、確証バイアスにとらわれて課題を特定するための構造化が適切にできない等、ロジカルに考えようとしてかえって混迷してしまうケースも見られます。これを解決する最適の方法がレビューです。ロジカルシンキングに長けた方との1on1ミーティングでレビューを受けることにより、時系列、構造、序列等をどうとらえているか、また問題解決のプロセスはそれでいいのか、そもそも問題の定義づけは正しいのか、ロジックツリーの使い方は適切か等、ロジカルシンキングを自らのものにできるチャンスを得られるのです。
ロジカルシンキングは、課題解決プロジェクトのすべての局面でフル活用できます。課題や問題の特定から始まり、解決方針の立案、解決策のグランドデザイン、ディテールデザイン、導入・定着促進までのワークブレイクダウンは勿論、枝葉となる個々の解決策に至るまで、ロジカルシンキングなくして推進することはできません。但し、問題解決に役立つロジカルシンキングではありますが、本当に筋の良い問題解決となるかどうかの鍵を握るのは、実は問題発見力にあるということも忘れてはいけません。「あるべき姿」と「現状」との「ギャップ」が問題であり、問題が明確にわかれば解決策の精度が上がるのですが、そもそも「あるべき姿」が曖昧だったり、現状認識や分析が甘く問題を正確に把握しきれないケースや、ギャップの構造を解明できず、問題の本質の具体化やプライオリティを判断できなかったり、実行可能な解決策から逆順で短絡的に問題をとらえてしまうことがままあります。このような状態で問題解決策をロジカルに考えると、理路整然と誤った解決策を立案する羽目になってしまうのです。こうした点にも言及しながら、強烈な洗礼を浴びていただくことで、時に挫けながらも何度でもレビューを受け、あるいはレビューする立場になっても、ロジカルシンキングスキルを習得していただきます。
Logical Writing
ビジネスパーソンである以上、誰もが必ず経験するのが文書作成です。子供のころから慣れ親しんできた文書作成ですが、ビジネスシーンにおいてきちんと通用するレベルの文書作成方法となると、学んだことがない方も多いでしょう。序破急や起承転結を意識した構成で文書を書ける方ばかりではないことや、文末まで読まないと意味がわからない、てにをはの使い方の複雑さ、多様な修飾語等、日本語の特徴も相まって、作成者の意図や要望、主旨が伝わりにくい文書が溢れている現実を改善するには、ビジネスライティングスキルが必要です。
読み手のことを理解したうえで、目的を的確に押さえ、相手に読んでもらえる工夫をこらし、主張が明確で説得力があり、印象的で、目的に合った構成やトーンになっていて、読みやすく、読んでいてストレスを感じさせない内容になっているか等、良いビジネス文書の特徴を踏まえたビジネスライティングを習得するには、読み手からのレビューが非常に有益です。従って、課題解決プロジェクトにおいてプロジェクトリーダーやチームメンバー、関係者等に何かを伝えるために作成した文書について、徹底的にレビューを受ける機会を得て、実践でトレーニングしていただきます。例えば、バックアップメンバーであるコンサルタントからは、プロジェクトチーム全員の作成文書について、ビジネスライティングの観点から容赦なくダメ出しをします。目的の明快さ、論理構成、演繹法と帰納法の使い方、主張の仕方、説得力、伝わりやすさ、熱量、わかりやすさ等、ビジネスライティングの原則に則っていなければ、それがクリアできるまで何度でも突き返されることになりますので、その間プロジェクト活動は停滞し、ただただ時間を費やすだけになるわけです。自分自身が経費消費の原因となるプレッシャーをひしひしと感じながら、ビジネスライティングスキルをブラッシュアップしてください。
Project Management
DXやイノベーションの創発では、数々のプロジェクトを同時並行的あるいは逐次発足させて推進することとなり、一定水準以上のプロジェクトマネジメント(PM)スキルを有することが必須となります。
PMというとIT系の仕事の仕方というイメージを持つかもしれませんが、実際には様々なテーマに対するソリューションを創出する時に活用する仕事の仕方であり、職種を問わず具備すべきビジネススキルです。現場を支援する立場になる上位職であれば、ほぼ全ての仕事は実質的にはPMであるいっても過言ではありません。
しかしながら、PMとは何をすればよいのか、という問いに的確に応えられ、かつ実践できているマネジャーはあまりにも少ないというのが実感です。また、独学でPMスキルをブラッシュアップしようとしても、システム開発に関する方法論やセミナーを参考にして自分なりにアレンジして行う以外の選択肢がないという現実もあります。
わたしたちは、数々のプロジェクトを推進してきた経験から、PMJM(Project Management Journey Map:プロジェクトマネジメント・ジャーニーマップ)というPM手法を提供しています。特徴は、そもそもプロジェクトとは炎上する性質を孕んでいるものであるという前提に立ち、炎上を未然に防ぐ仕組みと、炎上時の問題解決の仕組みを予め組み込んだ実践的なフレームワーク、ツール、レビュー・ミーティング等の手法を学ぶことができることです。数多の課題解決プロジェクトを解決までリードしてきたノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ内容となっています。そして、実際にクライアントの課題解決プロジェクトを推進する場においてPMJMを実践していただくことによって、具体的な問題解決を実現しながらPMスキルのブラッシュアップも叶えることが可能です。また、プロジェクトを成功に導くことは勿論ですが、プロジェクトマネジャーやメンバーが燃え尽きてしまう状況も改善したいと願うなら、PMのスタンダードとして組織全体でのご活用も推奨しています。
SPRINT
アジャイルな仕事の仕方とは何か、という問いへの答えがSPRINTです。SPRINTは、数か月にわたって巨額のコストを投入したと同等以上の価値のある仕事を、わずか5日間で成し遂げる働き方であり、MckinseyやMetaでも活用されて実績をあげています。
事前準備として、課題の特定、参加者の選定、時間と場所を確保した後に、月曜から金曜までの5日間で、ゴールセッティング、ブレインストーミング、セレクション、プロトタイピング、テストという5つのステップでひとつの仕事を完結させます。
SPRINTは、クライアントが現実に解決が必要なテーマにおいて実践を通じて習得していただきます。SPRINTマスターをクライアントチームから選出、SPRINTの手順に則った推進方法のデザイン、ファシリテート、進捗管理、とりまとめを行っていただきます。コンサルタントはバックアップに徹しますので、成果責任もSPRINTマスターが負うスタイルであり、強烈なプレッシャーのもとで、SPRINTを運用する稀有な修羅場体験ができます。
DXやイノベーション等、重大かつ迅速な意思決定と試行錯誤を求められる働き方としてSPRINTは最適な仕事の仕方ですが、着実かつ順序立てて仕事を進めるウォーターフォール型の仕事の仕方に慣れ親しんだ方には大きな戸惑いや拒否反応が出ることもあります。しかし、この葛藤を乗り越えなければアジャイルな仕事の仕方は身につきませんし、SPRINTで仕事できない方が今後のビジネスシーンで活躍するハイパフォーマーになれる可能性は限りなくゼロに近いという現実を考えれば、このチャンスを活かさない手はありません。
Lean Startup
DXに成功したと言えるのは、デジタルビジネスにおける新規事業で競争優位を確立できた時です。そこに至るまでには様々な障壁が立ちはだかっています。例えば、新規事業創造という点では、アナログビジネスモデルの既存事業でさえ艱難辛苦で成功が覚束ないのが普通であり、新規事業のもととなるイノベーションを計画的に発生させる体系的な仕組みさえ構築する目途が立たないこと、それに加えてデジタルビジネス構築のために不可欠なデジタル人材に活躍してもらえる環境整備もままならない企業が大半です。
そんな中で新規事業を立ち上げるための手法が、リーン・スタートアップです。次世代のコア事業創発手法として活用されるリーン・スタートアップは、「こんな製品なら買う」という顧客のニーズを何度も確認しながら全速力で試行錯誤を重ねて製品を作る「顧客開発モデル」で事業化を成功に導きます。「良いものを作れば売れる」というプロダクトアウト思考に基づく「製品開発モデル」とは一線を画す「顧客開発モデル」では、顧客開発と製品開発を同期させることが必須であり、顧客が望む必要最小限の機能を持つプロトタイプ(MVP:Minimum Viable Product)を作ってすぐ顧客に使ってもらい、様々なフィードバックを得て本当に顧客が買ってくれるものに仕上げてまた顧客に使ってもらうというスパイラル・アップを重ねてから市場に投入するので、リリース時点ですぐに顧客を獲得できるのです。しかし、顧客開発モデルで働くヒトに求められるレディネスは、製品開発モデルで培われた価値観や知見を根底から覆すものであり、まさにパラダイム・シフトを強いられるグレート・インパクトを与えるものとなります。
本プログラムでは、リーン・スタートアップについて学び、デジタルビジネスにおける新規事業創造と競争優位の確立に至るまでのロードマップを策定して、経営会議に提案していただきます。なお、実際の事業化まで伴走する「リーン・スタートアップ・コンサルティング」も別途提供しますので、お気軽にご相談ください。
Coaching
コーチングは、クライアントが目標を達成するうえで必要となる支援を行うことです。目標達成の主体はクライアントであり、コーチはクライアントの洞察や自省等の思考を促進する黒子に徹し、クライアント自身が動き出せるよう働きかける役割を担います。クライアントにコーチが何かを教え込むのではなく、あくまでもクライアント自身がまだ気づいていない、あるいは言葉にまとめることができない想いや考えを引き出し、傾聴して、言語化、具体化、目標設定を促進します。そして、達成プロセスを通じて適宜セッションを行い、進捗状況を共有しながらゴールまで伴走するのです。
クライアントのキャリアによって、コーチングの内容は少しずつ異なります。例えば、エグゼクティブが対象の場合は、ビジネス・プロフェッショナルが直面するテーマの多くが深い洞察を必要とするので、思考や言語化の壁打ち相手となる問いが中心となります。マネジャーの場合は、自身のキャリプランや昇進昇格を目的としたものと、メンバー育成を目的とする問いが中心であり、コンサルティング的な問いも織り交ぜることが必要になります。メンバーが対象なら、曖昧なキャリアプランやライフプランの考え方についてアドバイスを加えながら、自身の中にあるアンカーを見つける手助けや、スキルアッププランの策定支援が中心となるでしょう。
本プログラムでは、プロフェッショナル・コーチが実践するコーチング・プログラムを参考にして、マネジメント・ツールとしてのコーチング・スキルの獲得を実現します。
Appraisal & Development
「人事考課の目的は育成であり査定ではない」という原則に立ち返り、メンバー育成のための考課に必要な視点の習得とスキルアップを促進します。また、Diversity & Inclusionへの対応の一環として、同じ仕事をしているヒトたちで勤務条件が異なる働くヒトが同じ成果を上げたらどう評価するのが正解なのか、あるいは考課者自身が気づいていないバイアスを是正する気づきを得ていただくことも可能です。マネジメント層全体の考課スキルのレベル合わせとともに、公正性・合理性を高めます。現行の制度、ルールを活用し、実在する人物をモデルとして現実感あふれるロールプレイによるケーススタディを行います。また、DXを担うデジタルビジネスプロフェッショナルに関する考課トレーニングでは、わたしたちコンサルタントが評価対象者役となってクライアントによる目標設定・評価面談・評価結果フィードバックの1on1ミーティングを実施しますので、新任マネジャーのみならず、豊富な考課経験を有するが故に知らぬ間に我流に陥りがちな上級マネジャーにとっても、非常に手応えのある内容となるでしょう。
なお、本トレーニングではカバーしきれない課題、例えば、そもそもコア人事制度自体がレガシー化している場合や、考課者自身の適性に疑問があることが明らかな場合は、コア人事制度改革やアセスメントによるマネジャー選抜に関しても支援可能です。考課者として相応しい適性を有するマネジャーが、適切な人事制度に則って適切に考課しない限り、いくらトレーニングしても期待する成果を上げることは難しいので、ご不安であればお気軽にご相談ください。