Change Management

チェンジマネジメントとは、あらゆるものを生まれ変わらせるDXのすべてのプロセスを着実に遂行、管理し、現実のオペレーティングモデルを変更するまでの一連の取り組みのことです。ケイパビリティ、ビジネスモデル、ヒト・カルチャ・組織、テクノロジー・プラットフォームの各領域において、数多くのプロジェクトが同時並行で実行されていく過程で、難題に頭を抱え込み、身動きが取れないマネジャーや、日常業務を回しながらプロジェクト工数を積み増しされ、残業続きを強いられる社員からは怨嗟の声が上がります。「DXなんてITベンダーに振り回されているだけだろう」「上は何を考えているんだ」「そもそも我が社はDXなんかしなくてもいいのに」という抵抗勢力が日に日に強くなるにつれ、CEOも「無理にDXを推進しても組織が崩壊しては元も子もないから、一旦休止して事態の収拾を図り、機を見て再開するほうがよいかもしれない」という気持ちに傾いても不思議ではありません。しかし、このような状況に陥っても初志貫徹できるCEOだけが、DXを成功させることができるのです。DXの本質は、D(デジタル)ではなくX(トランスフォーメーション)であり、トランスフォームできる企業だけがDXに成功できることを意味しています。トランスフォームできるか否かはチェンジマネジメントにかかっているのです。本コンサルティングは、チェンジマネジメントに取り組むうえでCEOが厳守しなければならない7つのルール、チェンジマネジメントにおける4つの成功要因、そしてそれをやりきるための3つのポイントを押さえて、チェンジマネジメントを成功に導きます。

本ページ構成項目は下記リンクから直接ご参照いただけます。

7 Rules for CEOs to follow

KFS of Change Management

Execution

Other References

7 Rules for CEOs to follow

DXを成功させるためにCEOが守るべき7つのルールがあります。

Design & Agree on the Correct Strategy

戦略を正しくデザインして合意するためのルールは3つです。

①CEOがDXオーナーであれ

DXへの苦手意識や不勉強のためにリーダーシップを執りたくないCEOは珍しくありません。CIOやCTOにCDXOのタイトルを加えて一任する、ITパートナーに外注する、コンサルタントに丸投げする等、他人任せにしているケースが大半ですが、残念なことにDXは他人任せにした時点で失敗に終わることはほぼ確実です。DXを成功させた企業では、CEO自らがDXについて短期間で集中的に学び、経営における重要性や緊急度を痛感し、危機感をもって自らがオーナーシップを握ってリードします。リラーニングやリスキルを社員に求める以前に、CEO自らラーニングし、必要なスキルを習得する姿を見せることが不可欠です。

②パーパスを実現する競争優位性を確立せよ

自社が思い描く究極の理想像であるパーパス、パーパスに至るまでの中間目標となるビジョン、ビジョンを達成するために自らが果たすミッションについて考えを取り纏める際、自社の強みや優位性について徹底的に討議を重ねます。DX以前の強みや優位性はDXを機にどう変化するのか、新たな脅威はどこから来るか、その脅威に対抗するうえでDXをどう活かすのかをシミュレートして、デジタル・ビジネスモデルにおける優位性を確立するマスタープランをデザインします。このマスタープランに則って、いつまでにどのレベルまでDXを進めるのかを計画に落とし込みます。

③DX実行責任者にエンパワメントせよ

DXは誰も経験したことのない大規模構造改革なので、抵抗勢力も非常に強大なものになります。既得権を削られる組織や人からすれば、文字通り全力を振り絞って必死に抵抗することが当り前であり、あらゆる手法を駆使してDX推進者にプレッシャーをかけてきます。このような抵抗勢力からDX実行責任者を守るため、抵抗を押し切るために必要な権限を委譲して、CEOがそれを認めてオーソライズする体制を敷くことが必要です。パワーゲームに振り回されることのない環境を構築することで、部分最適化されたサイロを解消して、全社最適のDXを実行できるレディネスを整えます。

Successful First Steps

「はじめの一歩」を成功させるためのルールは2つです。

④1年以内に成功事例を作れ

DXを軌道に乗せるためには「はじめの一歩の成功」が極めて重要になります。とりあえず手近なパイロット・プロジェクトやPoCを実行して、実験や検証ができればよいという「最初は様子見」スタンスではなく、はじめの一歩だからこそ、全力でなにがなんでも成功に漕ぎ着けることが絶対に必要です。DXは社長の直轄下で社運を賭けて取り組むものであるにも関わらず、失敗したりインパクトに欠ける結果しか得られなかったとしたら、抵抗勢力が一気に復活して巻き返しに転じ、あっという間に形勢が逆転し、DXを拒絶する風潮が支配的になってしまうからです。

⑤全速力で試し、失敗し、活かせ

はじめにエース級の人材を選任し、デジタル・ビジネスモデルにおける競争優位性の確立に資する成果が見込める施策を選んで、DXを成功に導くためのロードマップに則った方法論を用いて、ビジネス部門と情報システム部門が連携して実行する体制を整えます。そして、リーン・スタートアップの顧客開発モデルで実行されるアジャイルな仕事の仕方を活用して、MVP(Minimum Viable Product、必要最低限の機能を持つ試作品)を顧客にぶつけてテストし、そこから得た顧客の声を学び、試作品を改良して再び顧客にぶつけ、更なるフィードバックを重ねるというサイクルを全速力で回して成果に結実させます。

Building New Capabilities

新しいケイパビリティをデザインするためのルールは2つです。

⑥人材投入だけでなく人的資本開発を行う

エース級の人材を選任したとはいえ、DXの進展度に伴って新たに必要となるスキルの育成を怠ってはなりません。従来から必要とされるビジネススキルの高度化をはじめ、アートシンキング、デザインシンキング、顧客開発モデル、アジャイル開発スキル、最適なテクノロジーや協働パートナーを見極めるキュレーション能力、ビジネスとテクノロジーの両面に通じるトランスレーション能力等、理論と実践を兼ね備えた人材が具備すべきスキルや能力を習得させることが不可欠です。新しい価値創造の源泉であり、DX自走化の主役であるヒトへの投資を集中させます。

⑦ロールモデルとなり、成功を賞賛し続け、全社展開を見届ける

小さくともインパクトがある成功を収めた後は、一気呵成に全社展開を図りますが、最初のチームは他チームのロールモデルとなってDXにおけるリーダーシップを発揮することが求められます。他チームが直面するボトルネックの解消や、アジャイルな仕事の仕方等に関するアドバイスやサポートを提供しつつ、彼らが成功した暁にはレコグニションを惜しまずに讃えることで、DX推進のモチベーションを鼓舞する役割を担います。このチームの活動は、CEOの直轄下でデジタル・ビジネスモデルにおける競争優位性を確立できるまで継続して行い続け、少なくとも5年程度の活動期間を予め計画しておきます。

ご参考までに下記のご参照も推奨します。

パーパス&DXロードマップ → Purpose & DX Roadmap

リーダーシップの詳細はこちら → Leadership

KFS of Change Management

チェンジマネジメントの成功要因は以下の4つです。

Goal Setting

パーパスを高く掲げ、本質的なDXをもたらすゴール(ターゲット目標)を設定することが肝要です。「DXとは何もかも新しく生まれ変わること」という原則に立ち返り、カイゼンの積み重ねでは到達しえない高みを目標として設定することが最も重要なことです。従来からの延長線上にはない高すぎるターゲット目標を達成するには、これまでの考え方、仕事の仕方、働き方では絶対に無理だということがわかった時、人ははじめてゼロベースからビジネスをデザインしなければならないと腹を括ることができるのです。低すぎる目標、これまでのやり方をカイゼンすれば到達できる目標を立てた時点で、DXは失敗に終わります。CEOはこの点について石に齧りついてでも妥協を許してはなりません。

Organization

DXを成功させるために必要なレディネスが整えられていることが必須です。CEOの本気度は、レディネスの整備状況に表れます。社員は皆この状況を注視して、CEOが本気でDXに取り組む腹積もりなのか、それともITベンダーの口車に乗せられるがままに、事実上のデジタイゼーションやデジタライゼーションで良しとしているのかを読み取ります。CEOが本気なら、DXプロジェクトのメンバーには各部門のエース級が選任され、プロジェクトリーダーにはCEO自らが就任、強烈なリーダーシップを発揮しながら組織の隅々までDXの何たるかに関するメッセージを浸透させ、成果相応の報酬や賞賛を与えるという言動に変わります。このようなダイナミックなエネルギーが表出しなければ、現場に蔓延る「目の前の仕事を回さなければならない」という抵抗勢力につけ入る隙を与えてしまうのです。

Commitment

定量・定性目標、成果責任者、タイムリミット等、DXに関するKGI、KPIに対する強いコミットメントは不可欠です。特に、誰が、いつまでに、どんな成果を出したか、がストーリーとして語られるようにならないとDXの全社展開は覚束ないので、達成度や進捗状況についてモニタリングできるダッシュボードをデザインします。関係者全員がいつでもどこでもDXの状況を確認できるように情報を共有することは、強烈なプレッシャーではありますが、煌びやかに推移することを賞賛するだけではなく、悪戦苦闘の様をも詳らかにしておくことが、別の取り組みにおける次の一手を考案する手蔓となることも数多くあります。未達成が何年も続いた企業では目標達成に対するコミットメントが弱い傾向にありますが、明示された指標の達成状況を適切に管理することで、再びコミットメントを強化します。

Completion

どれほどの難局に遭遇しようと、絶対に諦めないという強い意思を持って計画を完遂できなければ、いくらレディネスを整えたとしても失敗に終わります。例えば、DXに取り組んでもらうにもかかわらず、日常業務のボリューム削減やリソース調達を行うこともなく、ラーニング・リスキルの機会を提供しなければ、社員はそれを盾にとってDXの優先順位を下げ、言われたことだけ手早くこなすという行動に終始するだけであり、叱咤したところで現在の業務をまわすことに逃げ込んでしまうことでしょう。DXに取り組むうえで必要なリソースを確保し、学習機会を提供したうえで、自らの手でDXを成し遂げることをミッションとして認識してもらい、数年にわたるDXをやり抜くよう粘り強く働きかけることが不可欠です。

Execution

CEOが7つのルールを厳守し、4つの成功要因を踏まえたとしても、実際の取り組み方が不十分ではチェンジマネジメントは失敗に終わります。なんとしても成功に漕ぎ着けるという信念を堅持した粘り強い取り組みを数年間徹底できるかどうかにかかっているのです。現時点のカルチャ特性を把握したうえで、正しい手順でどう改革するのか検討を重ね、必要な打ち手を講じてチェンジマネジメントを実現します。

Corporate Culture Diagnosis

DXのKFSはビジネスのトランスフォームとカルチャのトランスフォームを同時に行うことです。はじめに全社員対象のカルチャ診断を行い現状を把握します。

①Alignment(リーダーシップ、方向性、企業風土)

パーパス、ビジョン、ミッション、戦略、行動規範、戦術、オペレーションまでの一連の流れが整合がとれているか、その方針が組織の隅々まで浸透するコミュニケーションがとれているか等について診断します。

②Accomplishment(リーダーシップ、役割・権限・責任、業績・リスク管理、組織スキル、モチベーション)

チェンジマネジメントをやりきる力を備えているか、主にマネジメントシステムについて診断します。権限と責任、戦略と評価の連動制、評価の公正性・透明性、マネジメント・サイクルの適切度、スピード感等を測定します。

③Adaptability(リーダーシップ、外部志向、イノベーション・ラーニング)

DXに限らず、様々な進化を受け容れる力について診断します。顧客、競合、業界動向、技術革新等の外部環境の変化にいち早く対応できるか、ひとりひとりの創意工夫だけでなく、組織全体としてシェアするナレッジとして集積する仕組みがあるか等を測定します。

この3Aをどの程度備えているかを確認後、①②③の順でそこに潜む課題を解決することでカルチャを改革します。

Changing Mindsets, Skills & Processes

続いて、マインドセット、スキル、プロセスの3つの改革に着手します。

①Mindset

はじめに、CEOがチェンジマネジメントに取り組むと宣言し、率先垂範しながらメンバーに浸透を図ることでマインドセットを変えてもらいます。「顧客、業界、競合、社会動向等の外部環境が激変する中で」「自社をどのように変えるのか」「そのために自分はどう変わることが必要なのか」という3点について、全員が自分について考える機会を与え、なぜ、なにを、いつまでに、どのように変えるのかについて考えを取り纏めてもらいましょう。その結果を上司・同僚にプレゼンし、CEOから直接フィードバックすることで、マインドセット改革を加速させます。

②Skill

DXの成否はデジタルスキルよりトランスフォーメーションスキルが占める割合が大きくなっています。いくらデジタルスキルを利活用しようとも、ビジネスモデルやビジネスプロセスに潜む課題解決に着手することなく、レガシーシステムをモダナイゼーションするだけでは、DXとしての成果を上げることはできません。デジタルスキル以前に、問題解決スキル、BPR、ラーニング・コンピテンシー等、不足しているビジネススキルを組織的に習得する仕組みを整えることが不可欠です。レガシービジネスに浸りきって硬直化した思考や価値観の呪縛を解き、普段の自分の視座・視野より上位から検討することも推奨します。

③Process

DXの前後では仕事の仕方が激変するので、共通認識とルールを新たに策定したうえでアジャイルな働き方に一気に転じます。デジタルビジネスモデルで競争優位性を確立するためには、イノベーション&インキュベーションで活用する「顧客開発モデル」における働き方が必要になるので、全速力で失敗しながら成功までの最短距離を疾走することを前提とした価値観やマネジメントサイクル、オペレーションへと改革します。マネジメント層の意思決定スピードと精度をアジャイルな働き方に変えるため、DX推進のボトルネックを解消するためのプロジェクトミーティングを毎週30分間、2年間実行する、という打ち手も有効です。
​​​​​​

Running the Change Management Influence Model

マインドセット、スキル、プロセスの3つを改革するために活用するフレームワークがインフルエンスモデルです。マインドセットではリーダーシップと自分事としての受容(腹落ち)、スキルでは人的資本開発、プロセスではイネーブルメントにそれぞれ同時に働きかけることで、慣性の抵抗にも負けないチェンジマネジメントが推進できます。チェンジマネジメントが頓挫するのは、CEOはリーダーシップを発揮しているものの、社員が白けていて自分の仕事として受容していないケースや、CEOの姿勢に共感した社員に頑張る意欲はあっても、必要な能力やスキルを持っていないケース、あるいは、一生懸命やったとしても、それが評価と報酬に反映されることがないケース等があります。いずれのケースも、3つの対象すべてに働きかけられていないことが原因であり、漏れなく、バランスよく同時に働きかけていくことが重要です。わたしたちはインフルエンスモデルを活用してチェンジマネジメントを成功に導きます。

なお、関連する内容として下記のご参照も推奨します。

コア人事制度改革の詳細はこちら → Human Capital Management

リラーニングの詳細はこちら → Re-Learning

現状診断の詳細はこちら → Diagnosis

Other References

#
Purpose & DX Roadmap
パーパス&DXロードマップ
#
Capability
ケイパビリティ
#
Business Model
ビジネスモデル
#
People, Culture & Organization
ピープル・カルチャ・組織
#
Technology Platform
テクノロジー・プラットフォーム
#
Change Management
チェンジマネジメント