Methods for Successful & Difficult Leadership Transitions
難渋するリーダー移行を成功させる方法
リーダーの移行、それは組織全体の場合は事業承継であり、BU単位ではマネジャーやチームリーダー等の昇格の都度発生するものです。雑駁に言えば、牽引ユニットのスケールに違いはあるものの、リーダーの移行は簡単ではないという点では同じでしょう。
例えば、次世代のリーダーは新時代を勝ち残るために適切なチームを編成できるのか、持続的な成長を実現する戦略を実行できるのか、そして次の次のリーダーを育成できるのか等、不安は尽きませんし、新リーダーを指名したシニアリーダーも、期待と不安が入り混じった気持ちに苛まれます。
どんな組織も必ず直面するリーダーの移行ですが、失敗すれば組織として大きなダメージを負うリスクが高いにもかかわらず、移行過程で実行される組織的な支援はシニアリーダーのOJTがほとんどで、あとは本人が「こういうことが必要だろうな」と考えた取り組みというケースが大半です。
複数の候補者から人選するわけではない中小企業ではとくにこの傾向が強く、過去の知見が通用しない経営環境において勝ち残ることを求められるリーダーへの移行が果たして本当に上手くいくのか、甚だ心許ないというのが実情ではないでしょうか。
また、リーダーシップの移行期における生産性は一時的に低下するものであり、単に新たなリーダーを選任したら移行完了というわけではなく、本当の意味で移行が完了したと言えるのは、新リーダーとマネジメントチームが新たな目標の達成にむけて最大限の生産性を発揮できるようになった時です。
この移行期をどれだけ短縮することができるか、つまり新リーダーができる限り早く最大の生産性に到達できるか、そしてその生産性をどこまで高められるかが、企業価値の最大化につながると考えれば、感覚頼みや思いつきによる移行をデザインすることの怖さをご理解いただけることと存じます。
本稿では、新たなリーダーへの移行を成功させるためには何をすればよいのかを考察します。まずは、リーダーの移行が重要である理由から紐解いてまいります。
目次
リーダーの移行が重要である理由
ハイリスク・ハイリターン
成功確率50%
脆弱な組織的支援
リーダー移行成功のための5ステップ
現状分析
「やること」と「やめること」の明確化
インパクト重視
リーダー移行成功のための5ステップ
1.PMVVの共創
2.現状分析と「今やること」の早急な実行
3.強力なチェンジストーリーのデザイン
4.レビューメカニズムの組み込み
5.新運営モデルの構築
Appendix
Diagnosis
Change Management
Executive Coaching