How to design a roadmap for successful DX
DXを成功に導くロードマップのデザイン方法
DXを成功させることは非常に難しいですが、失敗したDXのレビューを踏まえて、その原因を理解しておくことが成功への第一歩となるのではないかと、わたしたちは常々考えています。
2021年のハーバード・ビジネスレビューに掲載された2つの論文("The CEO’s Playbook for a Successful Digital Transformation", Harvard Business Review, December 20, 2021, "5 Questions Boards Should Be Asking About Digital Transformation", Harvard Business Review, June 21, 2021)によれば、DXの失敗や頓挫の原因の多くは、経営陣の中で計画に対する認識や合意形成が不十分であったことに起因すると考えられるとのことです。
例えば、
・デジタルへの理解が異なり、議論が嚙み合わないか議論にならない
・諸々の懸案の中で、あまり価値をもたらさない案件に注力してしまう
・テクノロジーに過度に集中し、人材やケイパビリティを劣後にしてしまう
・変革の対象領域が広すぎて投資が薄く分散、インパクトを創出できない
・経営者が他のCxOに責任を委譲、あるいは苦手分野を任せてしまう
このような現象が自社で起きているなら、そのままDXを推進するのではなく、一度立ち止まるべきです。
本稿では、DXの本来の目的(何を達成したいのか、どこに到達したいのか)を今一度明確にしたうえで、DXに対する認識を擦り合わせ、その完遂に対する確固たる合意を形成するロードマップをデザインする方法についてまとめます。
目次
Ⅰ.DX成功のための3要素
パーパス
コンセンサス(合意形成)
コミットメント
Ⅱ.変革対象範囲の適切な設定
ドメイン・ベースド・アプローチ
プライオリティ
Ⅲ.実現可能性の定義
ドメイン再構築
GAIのとらえかた
Ⅳ.必要なリソースの特定
1.構成
2.タイプ
Ⅴ.次の10年にむけたケイパビリティの構築
1.現状評価
2.ニーズの把握
3.パートナーシップ
Ⅵ.優れたロードマップの作成と実行
Ⅶ.役割・責任の明確化
Appendix
Purpose & DX Roadmap
Purpose Diagnosis
Change Management